2009年11月3日火曜日

こんぶのお話 その1



お吸い物や煮物のだしとして欠かすことのできない昆布。

日本では、古くからなじみのある食品のひとつですが、実際に詳しく調べてみると、いろいろな種類や使い方があるのをご存知でしょうか?

 こんぶは、平べったい帯状に伸びていく、帯状の海の植物。
茎の部分は3~4年生植物で、葉の部分が毎年生まれ変わり、夏に旬をむかえます。
殆どのものが乾燥して流通しています。
古くから「えびすめ(夷布)」や「ひろめ(広布)」と呼ばれ、「本草和名」にもその名がでてきます。「よろこぶ」「広める」などの意味に通じるため、結婚の結納品をはじめとして、お祝いの儀として用いられてきました。
 ひとくちに昆布といっても、海流などの影響で、形や品質の違いがあり、それぞれ適した使い方があり、食用としては、13種類の昆布があります。

 まずはもっとも有名なのが「真昆布」。
幅が20~30㎝、長さが6m近くの大きな昆布。厚さが3mmにもなる肉厚なのが特徴です。香りが高く風味が良いので、だし用のこんぶとして最高級品とされています。また、うすく削った「おぼろ昆布」や粉末状にした「昆布茶」などの原料もこのこんぶ。函館や室蘭にかけての内浦湾が主な産地です。
 この真昆布と姿かたちが良く似ている「利尻昆布」は、少し小型で幅が20センチくらい。利尻島、礼文島あたりが産地で、こちらもだしをとるのによく使われます。削っても色や品質が変わらないので、高級なおぼろ昆布やとろろ昆布にも加工されます。
 いっぽう、日高山脈を中心とした両岸でとれるこんぶが「日高昆布」。幅が5~15㎝、長さが2~6mのこんぶ。三石昆布、ともよばれるのだとか。
 そして「羅臼(らうす)こんぶ」は北海道の北、知床半島の南岸だけでとれる、産地限定のこんぶ。真昆布に匹敵する優良品で、独特のうまみと味が特徴。だしをとると、ややにごりが発生しますが、独特のうまみとコクはなかなかのもの。
 そして、「長昆布」は、その名のとおり、ほかの昆布にくらべて20m近くになる、長いこんぶ。根室や釧路など、オホーツク沿岸でとれるこんぶで、煮物などに使われます。
 そのほか、細目こんぶや、とろろ昆布など、その種類は豊富です。
 
 このように、さまざまな種類と用途のあるこんぶは、栄養面でもすぐれた素材。
ビタミンB群やヨード、カルシウムなどを多く含んだ食品です。
 また、こんぶの表面にある白い粉は、「マンニット」と呼ばれる、うまみ成分に海草の塩分が作用してできる物質。なので、使う前に、かたくしぼったぬれぶきんで表面をサッと拭いて、表面の汚れだけを軽く取り除いて使いましょう。

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